ホームページ制作の業界でもAIとの協業は進んでいますが、現時点で注意が必要だと思えるAIの創造性と修正・微調整能力についての見解をお伝えします。
AIの世界もすごいスピードで進化しているので、これはあくまでも2025年3月での私の会社で感じている見解だということを理解して下さい。
創造と修正の異なる特性
確かにAIは一からの創造においては素晴らしい能力を発揮します。
例えばウェブサイトのコンセプト立案やデザインの初期アイデア出し、コンテンツの大枠作成などでは、人間が思いつかないような斬新な発想を短時間で生み出すことができます。
しかし、微細な調整や文脈に応じた繊細な修正については、人間のような直感や経験に基づく判断力が求められるため、現状のAIでは限界があると考えています。

コンテキスト理解の課題
AIが修正や微調整を苦手とする理由の一つは、コンテキスト(文脈)の完全な理解が難しい点にあります。
ホームページ制作においては、クライアントの企業文化やブランドの微妙なニュアンス、業界特有の慣習など、言語化しづらい要素が数多く存在します。
こうした背景情報を踏まえた上での細かな調整は、現状では人間のディレクターやデザイナーの方が得意としている領域です。

AIは、基本的に次に何が来るのが最適解なのかを見つけ出して、それを出力していますので、どうしてもありがちなものになってしまう傾向にあります。
フィードバックの解釈と実装
また、修正作業ではクライアントからのフィードバックを正確に解釈し、その意図を汲み取った上で実装する必要があります。
「もう少し明るい感じに」「もっと革新的な印象に」といった抽象的な指示を具体的なデザイン要素に落とし込む過程では、AIは人間のような直感的理解が難しく、複数回の試行錯誤が必要になることが多いです。


この指示出し(プロンプティング)についてもできるだけ、チャンクダウンして細かくAIに伝えていけば、変更がしやすくなりますね。
AIと人間の協働モデル
このような特性を踏まえると、ホームページ制作におけるAIの最適な活用方法は、一からの創造的な提案はAIに任せ、細部の調整や最終的な判断は人間が担当するという協働モデルが効果的だと考えています。
例えば、AIがサイト構成やデザインの複数パターンを短時間で生成し、その中から人間が選択・改良していくアプローチです。

最近はデザインについても対応するAIが出てきています。
技術の進化と今後の展望
ただし、AIの技術は日々進化しており、繊細な修正や文脈理解の能力も着実に向上しています。
特に特定の領域に特化したAIツールは、修正タスクにおいても高い精度を発揮するようになってきています。
将来的には、より高度な文脈理解や感性的判断も可能になり、修正作業においても人間に近い、あるいは人間を超える能力を持つ可能性があると考えています。
ホームページ制作の現場では、AIの強みと弱みを理解した上で、人間の創造性や感性と組み合わせながら最適なプロセスを構築していくことが重要です。
テクノロジーは常に進化していきますが、最終的にクライアントの満足を生み出すのは、技術と人間の感性の絶妙なバランスだと信じています。


AIの進化を見ているとは、とてもスリリングな感覚で、この世界がどうなっていくのかが気になってしまいます。